ご飯と睡眠と無敵の7人

楽しいこと以外お断り

友達が1ヶ月で立派なジャニオタになった話


友達がジャニーズWESTに堕ちた。めまぐるしい速さと勢いでこちらの世界へやってきた。
実際に目の前でジャニーズに堕ちていく人を見ると、なんとも言えない気持ちになるものだ。そして、きっとこれからの人生で、ジャニオタになる子を目の当たりにすることはそうそうないだろうから、ここに書き記しておく。この伝説を後世にも伝えなくては。


その子の名前はAちゃんとしておく。

Aちゃんはなんの変哲もない普通の女の子だ。ドラマはほぼ全てチェックし、バラエティなどのお笑いも大好き。気になる映画があればすぐに観に行き、ついでに寄った店がSALEをしていてついつい買い物もしちゃう。どちらかというと、世間でいう「女子」そのものだった。そして、別にジャニーズに変な固定概念を持ってるわけではなく、私がコンサート等へ行くと「コンサートどうだった?」と聞いてくれて、私がどれだけ興奮して神山くんのかっこよさを話しても「へぇ〜!よかったね!」と言ってくれる。私にとって彼女はまさに菩薩のような広い心を持った友人だった。しかし、ジャニーズに特別な関心はなく、いつも私が話すのを聞いているだけ。それ以下でもそれ以上でもない。そんな彼女が今に至る経緯をまとめてみた。


2015年12月上旬

Aちゃんには結構前から私の妄想を聞いてもらうことが多かったのだが、聞く一方だったAちゃんも遂に好きな俳優との妄想を話してくれるようになった。道で車を見かけると、「この車うちのと同じだ」と言ったり、逆に「神山くんとはどんな車乗ってるの?」と聞いてくれたりもした。そして最終的には、神山くんを突破口としてジャニーズWESTへ興味関心を持ってくれるようになったのだ。言い忘れていたがAちゃんはとても頭がいい。その辺の“頭がいい”とは比べ物にならないくらい頭がいい。その為飲み込みが早いこと早いこと。あっという間にメンバーの顔と名前を一致させたのだった。



2015年12月下旬
その日はAちゃんと、話題の映画orangeを観に行った。今までの私だったら「orange観たくない?」と誘われても「興味ない」の一点張りで断っていただろう。しかし、この時期はちょうどオタ卒への道まっしぐら。山崎賢人も出てるときたら観るしかない。2人で仲良く映画館へ向かい、2人で感動し号泣した。映画を見た後パスタを食べながら映画の感想を言い合った。

私「翔かっこよすぎるよね??須和も捨てがたいけど、翔かっこよすぎるよね??」

A「原作も読みたくなってきちゃったね。どうしよう。もう1回観たい…!」

私「わかるわかる」

そんな事を話してる中、その言葉は突然発せられた。

A「最近神山くんどう??」 

あまりに唐突な質問に怯んでしまう。だって今orangeで盛り上がってたから!!Aちゃんは、昔私が見て欲しいと言ったWESTの動画を見た事を報告してくれた。そして、その後なんとなくジャニーズWESTの話で盛り上がってきたところに、vineで「#神山智洋」で検索をかけ、載せられた動画を全て見た。本当に全て見た。ドヨルの妄想族での、レモンのストーカーを演じる神山くんも見た。純粋に楽しかった。

A「あれ、でもジャニオタやめるんだっけ?」

私「うん。次のコンサートで最後にしようかなぁって。でも、こうやって話すくらいならいくらでもするよ!」

まさかAちゃんが本当に生粋のジャニオタになるなんてこの頃は思いもしなかったので、このような発言をしてしまった。

A「そっか!私、ハマったらとことん極める性格だから、ハマったらヤバそう〜(笑)」

そしてこのAちゃんの発言は、後に証明されるのである。




年末〜新年

年末になると色々な特別番組が放送される。例えば、ジャニーズカウントダウンの特別番組。これをAちゃんは見てくれたようだった。LINEで「カウントダウンのやつみたよ!神山くんかっこいいじゃん!」と感想をくれた。(うるさいようだが、私はオタ卒予定だった為もちろん見ていない)今まで神山担をやっていて、神山くんに好意を抱いてくれた人がいなかった反動からか、いくらオタ卒しようとしていても、神山くんを褒めてもらえるのはとても嬉しかった。もう少し頑張れば、Aちゃんを神山担にすることができるのではないかとも思った。
特別番組を見てくれたAちゃんは、当然12/31〜1/1に放送されたカウントダウンも見てくれた。初詣に行っていたのか、チャンネル権を奪われたのかは謎だが、「リアタイできない!」と怒っていた。この発言は、ジャニオタへの第一歩だと言っても過言ではない。
そして年が明け1月2日。猿魂と呼ばれるに相応しすぎるくらいに猿をモチーフにしたグッズが披露された。グッズのことをAちゃんに知らせたら「え!なにこれ面白い!」という反応が返ってくるのではないか。そう思った私は、早速Aちゃんに連絡した。

私「グッズの詳細でたよー!」

A「もう見た

……もう見た?私が知らせる前に、己の意思で「ジャニーズWEST グッズ」と検索したというの……?この時初めてAちゃんに恐ろしさを抱いたのだ。この子はきっと本当にジャニオタになる……。新年早々やばいことになったなと震撼していた。




2016年1月7日

冬休みも終わり、この日久々にAちゃんに会った。もちろん第一声は「コンサートどうだった?」。私は呼吸も忘れるくらい最高だったことを伝え「オタ卒延期!!」と叫び、コンサートの内容を伝えた。いつも通り、Aちゃんは「へぇ〜!」と言ってくれる。しかし、徐々にいつもと違うことになってきた。

私「それでさ、そこで神山くんが」

A「あ〜、ジャックナイフだったって話?」

Aちゃんが、コンサートの内容を把握している。しかもMCまで細々と。私より先にAちゃんがコンサートの内容について発言してる…!「いやぁAちゃんよく知ってるね」「うん。Twitterでレポみたからさ〜」まさか彼女の口からこんな言葉が出てくるとは思わなかった。私は、まだAちゃんのことを非オタだと思っていたが、「Twitter」で「レポ」を見たという非オタがいるだろうか、いやいない(断言)この短期間で、Aちゃんはレポを漁る立派なオタクへとなりつつあったのだ。人間いつどこでどうなるかわからないもんだね。ありがたいことに、私は7日の公演も入れることになっていた。そこで、Aちゃんがどれだけ本気なのか確かめてみようと思った私は「もしあれだったら、グッズ買ってこようか?」と聞いてみたのだ。もしもここで「いや、グッズとかまではいいや。とりあえずお金出さない程度に楽しもうかな」という返事が返ってくるなら、Aちゃんはまだ完全に沼に浸かってないことがわかる。

私「私、今日も横アリ行くけど……、もしあれだったらグッズ買ってこようか?」

A「えっ!いいの!?お願いしたい!代行頼みたい!」

疑った私が悪かった。彼女は本気だ。いつの間に代行という用語まで使えるようになったんだ。とにかく、彼女は本気でジャニーズWEST沼に溺れ始めているらしい。誰のなんのグッズを買ってくればいいのか聞くと、まだ迷ってるからあとでLINEするねと言われ、とりあえずその場は解散した。そして、私が横アリへ行く途中。Aちゃんから「団扇をお願いしたい」という一言とともに届いたLINEがこちら

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小瀧くんは、顔がタイプだと言っていたためなんとなく予想はできたが、まさか濵田くんも入っていたとは思わなかった。どうやらなで肩が気に入ったらしい。確かに、Aちゃんの雰囲気からして、濵田担になる姿は安易に想像できたため、濵田くんを推してみたが、それでもなお決めかねているようだったので、「両方買っちゃえよ」と言ってみた。送ってからすぐに、さすがにいきなり両方は買わないか、と思った。たかが1200円、されど1200円。1200円あれば彼女の好きな俳優が出ている映画が1本観れる。

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両方買うってよ。

しかもこの返信の早さ。わずか1分でこの返事。元から両方買うことを検討していたとしか考えられない。恐るべしAちゃん。その日一緒に参戦する友達はAちゃんのことも知っている子だったので、この事実を伝えると言葉にならないほど驚いていた。「あんた、1人の人間の人生狂わせてるよ……?」とまで言われた。全くその通りだ。私が毎日ジャニーズWESTの話をしたせいで、ジャニーズに興味を持ってしまったAちゃん……。1度興味を持ったら止められない性格に火をつけてしまった私……。もちろん、ジャニーズに興味を持ってくれるのはとても嬉しいし、いけないことではない。しかし、ジャニーズの中毒性というものを知りながらも沼へ沈めるのは、軽い犯罪なのではないかとまで思えたのだ。だが、ここまできてしまった以上、もう誰にも止められない。このままAちゃんと共にジャニオタ街道を進むしかないのだ。私は会場についてすぐにグッズ売り場へ行き「濵田くんと小瀧くんの団扇ください!」と言ったのだった。



2016年1月上旬

ここまできたら開き直るしかない。もう私のせいでもいい。後の未来、Aちゃんに「あの時ジャニーズにはまってなければこんなことにならなかったのに!お前のせいで人生めちゃくちゃだ!」と言われてもいい。ジャニオタであるAちゃんと今の世界を楽しむしかないのだ。日曜日、早速Aちゃんを誘い我が家でDVD鑑賞をした。一発めぇぇぇぇぇぇぇ→なにわともあれ→ハロー東京 というハードなセットリストだ。もちろんAちゃんは濵田くんと小瀧くん(の団扇)を連れてきた。2枚重ねになった袋に厳重に守られているのを私は見逃さなかった。DVDをセットしながら、ふとAちゃんはどのようなタイプのオタクなのだろうと思った。オタクと言っても色々な種類に分かれる。自担しか見ないタイプなのか、それともジャニーズWEST全員に沸くタイプなのか、かっこいいと叫ぶタイプなのか、涙を流すタイプなのか……。挙げだしたらキリがないが、Aちゃんがどのタイプのオタクになったのか検討もつかなかった。ちなみに私は、よほど恵まれた席でない限り、ずっと双眼鏡で自担だけを追う“ストーカー”タイプだ。特にMCなんて神山くんしかみてない。神山くんが水を飲んだり汗を拭いたりする場面を、いかに見逃さないか。ここに命を懸けている。右手にペンライト、左手に双眼鏡が私の参戦スタイルである。しかしここはコンサート会場ではない。私の部屋だ。さすがに双眼鏡は使わないので、とりあえずペンライトと団扇を持ってみた。ついでに「ここにあるペンライト使っていいからね!」と声もかけてみた。が、Aちゃんはペンライトを持たない。私が粉もんを全力で踊っても、Aちゃんは立ちもしない。彼女はそんなに騒がないタイプのようだ。むしろ、全く動かないし喋らない。たまに「うわ」「うそ」「やば」「かっこいい」ともらす程度。ただただ真剣に彼らの姿を目に焼き付けてるようだった。結局、終始海外のSF映画を観ているような空気で3本のDVDを観終わった。

私「……どうだった?」

A「なんか……うん」

ここで、「思ってた感じと違う」と言われる可能性だってあるのだ。私は少し身構えた。 

A「かっこよすぎて無理……しんどい……まともにみれない……かっこよすぎるって……」
 
Aちゃんは、もう抜け出せないところまではまっていた。



2016年1月中旬〜下旬

彼女は言った。「とりあえず、CDとかDVDとか全部揃えなきゃいけないから……。初回盤とかってもう店じゃ置いてなかったりするよね??」1ヶ月もしないうちに、Aちゃんは“問題は必要か必要じゃないかじゃない、持っていたいかだ”というオタクの心理を持ち合わせていた。しかし、いくら開き直った私でも、さすがに待ったをかけた。他人の金銭事情に口を挟むものではないが、CDもアルバムとなればそれなりにするし、DVDなんてもっとする。「とりあえず私のやつ貸すから。それから考えても遅くないと思う」そう言って貸したCD。そして返された時の一言「とりあえず買えるものは全部買う」。ポジティブに考えよう。きっとAちゃんは、ジャニーズWESTに関わるものは、全ていい、全て面白くてハズレがない、そんなことは見なくても分かると思ってくれたのだろう。Aちゃんの人生だ。私がとやかく言えることではない。Aちゃんが欲しいなら買ってもらおうじゃないか。そう思い直した私は、「素晴らしいよ。頑張ってね」と言った。そこからは彼女のオタクライフを全力で応援することに決めたのだ。
Aちゃんは、年明けから今日に至るまでの約1ヶ月間で、数人の諭吉をジャニーズWESTを召喚することに使ったらしい。
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私に報告がきたものだけをまとめてみたが、1ヶ月でこれだけのブツを購入するとは……中国人もビックリの爆買いである。彼女は濵田くんの舞台に行く気満々だし、ラッキィィィィィィィ7の宮城公演に入りたいと言ってきたこともある。Aちゃんのオタクっぷりにはお手上げだ。




こうしてAちゃんは、ジャニーズWESTの沼へずぶずぶと入ってきたのである。
今までジャニーズと無縁だった女の子が、私の目の前でこんなにもジャニーズにはまるとは思いもしなかった。この記事を書いている今も、なんだか信じられない。
周りの友達に「どうしちゃったの!?なんで急にジャニーズなの!?」と言われているが、その問いに対して「え?ジャニーズになにか問題点ある?」とこたえるAちゃんの表情はジャニオタそのものだった。


Aちゃん、ようこそこちらの世界へ。

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